Takigahara Cafe Daily 食材の活用を考えること。

こんにちは。滝ヶ原ファームのみうるです。
毎週刻一刻と季節の移ろいを実感する滝ヶ原の暮らし。
最近では、柚子の木を剪定したり、種、苗を植えるために畑を耕したりと春の準備をしていました。
三寒四温であたたかくなっていくにつれ、滝ヶ原を訪れてくる人も増えてきました。

先週、白山市の手取川の近くにある酒蔵、吉田酒造店に行ってきました。去年のTAKIGAHARA FESTIVALにも参加していただき、そのときには、蔵元6代目のやっちゃん率いる吉田酒造チームが来てくれ、さまざまな種類のお酒を飲み比べできる機会になり、SAKE BARのブースはとても賑わっていました。


吉田酒造店は、石川県民ならお馴染みの「手取川」という日本酒を147年にわたって作ってきた酒蔵です。むかしからの作り方を、いまも守り続けています。
地酒というなら、地元のお米でおいしいお酒をつくりたい。という想いから、酒蔵の周辺で獲れた酒米を最大限に活かした酒造りをしています。蔵元6代目のやっちゃんは、職人気質の酒蔵を、もっと柔軟に新しい発想をもち、さらに発展するために酒蔵の在り方を改革中だと言います。いまや世界でも注目されている日本酒ですが、吉田酒造店では、海外のクラフトビールブルワリーと交換留学や、海外に日本酒のプレゼンをしに行ったりと、いまの時代に合った、開いた感覚でさまざまなことに取り組まれています。味覚が繊細でお酒に詳しく、いろんなものを見てきた感性豊かなやっちゃんと話すと、いつもわたしたちは刺激をもらいます。




以前、酒蔵を見学させてもらい、こだわりの手作業の酒造りを一から見せてもらいました。ひとつひとつの作業に時間と手間をかけて完成した搾りたてのお酒は、水のように透き通っていて、発酵した香りが立ち込めて感動したのを覚えています。




米粉は、米を蒸す前に、不要成分を取り除くために外表皮を削ったときにできるもの。一番外側の部分は、ぬかに近い色で、中心に近くなるにつれ白くなり、4種類に分けられる米粉ができます。米粒のかけらが混じってざらざらしていたり、真っ白でさらさらしていたり、それぞれ特徴があります。持て余すほど大量の米粉ができるため、現在、吉田酒造店では、酒米農家さんに提供して、田んぼの肥料として使っているそうです。
以前から東京のFarmer’s MarketのFood Waste(食料廃棄問題)について考えるイベントを知ってから、使い道に困っている食材が気になっていた私は、その米粉をいただいて、滝ヶ原ファームのキッチンでいろいろなものをつくってみることにしました。



リンゴの発酵シロップ入りのパンケーキ(ちょっと焦げてしまいました・・)(photo by MIURU)


収穫したつくしやふきのとう、いただいた原木しいたけの天ぷら

今週、さまざまな人が来訪してくれたときに、アドバイスをいただいた手ひねりパスタや、米粉を使ったスープにも挑戦してみたいと思いました。

多いものでは5割以上もお米を削ってつくられる日本酒は、改めて贅沢なお酒だということを感じました。酒米は、いつも食べているお米と違って、でんぷん質が多いお米。水分が含みやすかったりと、食用米とは違うため、料理に活用するのも一筋縄ではいかなくて苦戦しました。ですが、お米の香ばしさや食感を感じるおいしい食材だと感じました。
今回は、酒米と食用米の違い、米粉のこと、それから吉田酒造店が舞台となった映画(THE BIRTH OF SAKE)を見て、改めて日本酒について、考える機会になりました。プロセスを知った上で、さまざまな意見を取り入れて、米粉ってこういうふうにつかってもいいんだ!こういう味がするんだ!と、つくった料理は実験のようでした。

いろんな食材があつまるTAKIGAHARA FARM。もうすぐオープンするTAKIGAHARA CAFEでは、滝ヶ原、小松や加賀といった近隣の食材をおいしく提供する予定です。こういった食材の活用法も、TAKIGAHARA CAFEに集まるいろんなひとの意見を交えて、考えていくことができたらいいなと思います。

カフェのお披露目も兼ねたTAKIGAHARA FESTIVALは5月3日と4日に開催が決まりました。前回のVOL.0では、CRAFT&CRAFT FOODがテーマ。今回も食を中心に、クラフト、アート、音楽と盛りだくさんのイベントになる予定です。おいしい食事はおいしいお酒とともに。昨年参加していただいた東酒造と、もちろん吉田酒造店も参加予定です。

吉田酒造店
http://tedorigawa.com/
THE BIRTH OF SAKEオフィシャルサイト
http://www.birthofsake.com/
THE BIRTH OF SAKE トレイラー

text: miuru yukinaka
photo: yoichi naiki

2017.3.26