滝ヶ原の冬をふりかえり、学びに想いを巡らす

ここ滝ヶ原、毎日ウグイスの鳴き声を聞きながら、春の陽気を堪能しています。
私たち三人は、昨年の4月から順次滝ヶ原に移住してきましたので、あと少しで一年を迎えようとしています。
初めての地で迎える四季は学びの連続で、連日Takigahara CafeとTakigahara Herb Gardenの開業に奔走する経験も人生で初めてのことばかり。
ここでの暮らしのすべてが学ぶことと直結しているように思います。
今回は、冬の滝ヶ原を少し振り返りながら、学ぶことについて触れてみたいと思います。

滝ヶ原で学んだことのひとつは、冬の準備を怠らないこと。

通年気候が安定している鎌倉に長らく住んでいた私にとって、今期の冬が暖冬であったことが信じられないぐらいの寒さを経験しました。
体育館で使用するサイズのストーブですら役不足で、多くの住民が薪ストーブを使っています。
皆さん年間を通じてコツコツと薪を切り出していて、日常生活にそういった時間を必ず取っています。

冬の寒さは、生死に直結していますから、その経験はその分得るものも多い。

多くのことをお金で解決できる都市生活と異なり、田舎暮らしではそれ以上に知恵と経験が必要になります。
その土地の風土を理解し、昔から綿々と引き継がれてきた先人の工夫を学び、実践で磨く。
滝ヶ原では多くのことが初めての経験です。知らないからこそ得られる知見の数々は、新たな視座を得る機会になり、その視座は人生を充実させます。
滝ヶ原の生活は、私たちが大事にしている「野良」であったり、「cultivate to culture」といった考え方を磨き、まさに生活を通して実践しているといえます。

長い冬を経ていよいよ春がきて、長年夢見てきた薬草園の準備が始まりました。
日本の薬草文化と世界中の薬効効果をもったハーブを集めた美しいハーブガーデンを作りたいという想いだけでここまで来ましたが、
共感してくださった様々なジャンルのスペシャリストが、ここ滝ヶ原に続々と集って下さっています。

永く放置された休耕田に再び命を吹き込むところからはじめていますが、荒野を開拓するような環境の開墾は一筋縄ではいきません。
農業については素人の挑戦を、こういったスペシャリストのご協力をいただきながら徐々に形にしていくプロセスは、まさに学びと新たな知見の連続。

滝ヶ原ファームは、学ぶことを共有する場でもあります。
学ぶことは、お金といったわかりやすい価値を超える、本質的な価値を伴っています。
できるだけ多くの方と共に汗を流し、学びを通した価値の交換をやっていきたいと思っています。

雪解けを待ち、いよいよ開墾が始まったTakigahara Herb Gardenのゼロからの挑戦を、このblogで今後伝えていこうと思います。
ご期待ください。

Text&Photo Yoichi Naiki

2017.4.3